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July 29, 2005

本橋信宏著『裏本時代』

 先日のBOOK BATONのエントリーで、人生のベスト5のうちの1冊に挙げた、本橋信宏さんの『裏本時代』が、幻冬舎アウトロー文庫に収録されていました。
 編集担当が、僕の尊敬する先輩なので、側面支援の意味も込めて、ここに書いてみます。

 この本が文庫になるのは、いまは新刊の刊行を停止している新潮OH!文庫以来2度目。
 実は僕、そのOH!文庫版はもちろん、飛鳥新社から出た単行本版も、その元となった短編が収録されている『素敵な教祖たち』も持っているほど、この本が好きなのです。

 この本は、駆け出しのフリーライターだった著者が、80年代前半“裏本の帝王”としてその世界を牛耳っていた「会長」(後のAV監督・村西とおる)と出会い、彼の怪物的なパーソナリティーに翻弄されながら、彼の元で伝説のゲリラ写真誌『スクランブル』を創刊し、その編集長として奮闘した思い出をつづった、自伝的ノンフィクション。
 僕はそのころ、まさに『スクランブル』を愛読した読者であり、当時のアンダーグラウンドカルチャーに憧れを抱いていたこともあって、この本が出たときは、食い入るように読んだものです。

 また編集者としての自分の身と重ねてみても、この本にはとても影響を受けました。
 もちろん僕は、本橋さんほどの度胸も才能も持ち合わせていませんが、それでも若き日の著者が、さまざまな難題に直面しながら、それを解決していく姿に、自分もがんばらなきゃと思ったものです。
 (後に仕事を通して、本橋さんと知り合った時も、僕は本人にそうお伝えしました)

 実際に自分も、「僕にとっての村西とおる」とも呼ぶべき上司のもとで、ある編集部の立ち上げに参画したのですが、恥ずかしいことに、期待に応えられることなくその編集部は終わってしまいました。
 まったくもって、いまさらながら、悔やんでいます。
 その悔いを晴らすことこそ、この後の僕の仕事のテーマなのだと考えています。

 幻冬舎アウトロー文庫版の編集者は、単行本が出た当時、 「星野くん。この本は編集者なら絶対に読んでおいた方がいいよ!」 と熱心に話してくれたことも、強く印象に残っています。

 それ以上に、出版の世界にとくに関心がない方にも、強くお勧めします。
 なにしろ村上龍の『69』より面白い青春小説と言っても、大げさではないですから。

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