「自傷的自己愛」について
精神科医の齋藤環氏が書いた、『「負けた」教の信者たち』(中公新書クラレ)を読んだ。
まず書名に引きつけられた。
さすがにうまい。
本書の中の「はじめに」で、書名に掲げた「『負けた』教の信者」を定義して、齋藤氏はこういっている。
彼らは、負けたと思いこむことにおいて、自らのプライドを温存しているのではないか。現状の自分を肯定する身振り、すなわち自信を持って自己主張することは、批判のリスクにまっさきにさらされてしまう。むしろ現状を否定することで、より高い理念の側にプライドを確保することが、彼らが「正気」でいられる唯一の手段なのではないか。その意味では、「負けたと思いこむ」こともまた、ナルシシズムの産物なのだ。「負けていない」と否認することによって、自らの「正気」すら手放してしまうのではないかという恐れが、彼らをして「負け」に固執させてしまう











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